春図鑑「タンポポ

春になると野原だけでなく、道端にも咲いているタンポポ。ヨーロッパから日本に渡来した植物で、江戸時代には「鼓草(つつみぐさ)」と呼ばれた。その名にある「鼓」の音から転じて「タンポポ」と呼ばれるようになったとか。漢字では「蒲公英」と書く。いまや日本中で可愛らしい黄色い花を目にすることができるタンポポの真骨頂は「綿毛」。幼い子どもが、フーッと吹いて綿毛を飛ばしているようすは、なんとも可愛らしいものだ。その綿毛の正体はタンポポの種子で、もちろん子どもが吹かなくても、風に乗って運ばれていくようになっている。英語では「dandelion」で、歯のギザギザしていることがライオンの牙を連想させたことから名づけられた「ダン=ド=リオン(dent-de-lion)というフランス語が語源になっている。タンポポの綿毛を飛ばすのも面白いが、茎を草笛にして楽しんだ人もいるはず。春の野の散策に欠かせない花といえるかもしれない。
 

 

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