春図鑑「ゴールデンウイーク

「国民の祝日に関する法律」が制定されたのは昭和23年7月のこと。このとき、4月29日の天皇誕生日(昭和天皇)、5月3日の憲法記念日、5月5日のこどもの日と祝日が集中することになった。カレンダーの曜日の並びにもよるが、「飛び石連休」などと言われたこともある。この時期を「ゴールデンウイーク」と呼ぶようになったきっかけは、映画会社の戦略という説がある。映画が国民の娯楽の代表だった時代の話である。祝日が続くこの時期に、映画会社各社が人気スターの映画や大作映画を集中的に公開したのである。つまり「ゴールデン」というのは昭和の映画全盛期に活躍していたスターたちのことだったといえなくもない。平成の世に入り、天皇誕生日が12月23日になると、4月29日は「みどりの日」になり、その後、「昭和の日」となった。「みどりの日」は5月4日に引っ越しして、それまで「国民の休日」だったものが、晴れて「祝日」となり、間違いなく「3連休」となったわけだが、じつは、このあたりの話は「政治的な話」でもあるので、ここまでにしておく。いずれにしても昨今のゴールデンウイークが日本人にとって、お盆の時期とともに国内・海外を問わず「民族大移動」の時期となった。高速道路の渋滞や新幹線の混雑、海外脱出で空港あふれることなどが風物詩となっている。多くの人が「ゴールデンウイーク」と呼び、雑誌などでは「黄金週間」と書くところもあるが、じつはNHKのニュースでは「大型連休」と伝えられている。どうやら「ゴールデンウイーク」という名称が映画会社の「戦略」に由来することから、いわば「商品名」ととらえているのかもしれない。
 
 

 

春便り 

 

 
 
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