春図鑑「朝寝坊

「春眠、暁を覚えず」といえば、唐の詩人である孟浩然の代表作ともいうべき「春暁」の一説。中国でも春の夜は快適に眠れるようで、夜が明けたことも気がつかないということだろうか。日本にしても春は心地よく眠れる季節だ。冬のあいだは、布団に入っても寒かったり、夜中に寒くて起きたりと、およそ快適な眠りとは言い難い。夏は夏で、暑さや湿気で寝苦しく、やはり「安眠」とはいかない。それにくらべて春の夜は、どれだけ眠りやすいことか。とはいえ、春休みがあるのは学生だけで、社会人ともなると年度末や年度初めで、春といえば多忙を極める時期。うかうかと眠っていられないのがつらいところだ。ちょっと油断して二度寝をしてしまうと、起きたときには遅刻必至の時刻ということもある。医学的には「ヒトの身体は春になると自然にデトックスをする性質がある」という説もあり、そのためにエネルギーを使うため、必然的に眠くなるらしい。仕事のある日は頑張って起きるとして、せめて休みの日は、なまけて眠る惰眠(だみん)をむさぼるのも健康のためにはいいかもしれない。
 
 

 

春便り 

 

 
 
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