広大なブナの原生林が広がる
白神山地(青森県・鰺ヶ沢町、深浦町、西目屋村、秋田県・藤里村)
青森県南西部から秋田県西北部にまたがる白神山地は13万ヘクタールもの広さがある。そのうち原生的なブナ林が残る1万7000ヘクタールが、1993年に世界遺産に登録された。青森県側が1万2600ヘクタールと4分の3を占める。一帯は1000~1200mも山岳地帯で、青森県側に流れる川が5つ、秋田県側に流れる川が1つある。川が流れるところは谷になっていて、けっこう起伏に富んだ地形をしている。アジアでも最大級の原生的なブナ林は、世界遺産に登録されてからは開発が行われず、現状のまま保護される。以前からあった登山道以外は、新しい道も作られない。道がない核心部には一般の人は入っていくことはできない。ブナの寿命は200年といわれる。核心部のブナは人目に触れることもなく、自然の摂理のままに成長し、枯れると新しいブナが育つという営みを繰り返すのだろう。ツキノワグマ、ニホンザル、カモシカなど野生動物の楽園でもある。翼長2mのイヌワシも空を舞う。キツツキの仲間のクマゲラも繁殖。
6月に2cmの白い花を咲かせるアオモリマンテマ、7月に標高1200mの草原に青い花を咲かせるエゾハナシノブ、10月に岩場などに白い花を咲かせるツガルミセバヤなどは、高山植物のファンは見逃せない。白神山地のなかでも人気のあるトレッキングコースは、青森県側の「暗門の滝」へのコース。3つの滝を目指してトレッキングできるコース設定。すれ違うのも難しい川沿いの道や、鉄パイプの細い橋があり、ちょっとしたスリルを味わえる。このコースへは、JR弘前駅からレンタカーあるいはバスを使ってコテージ・温泉などがあり、白神山地散策の拠点の「アクアグリーンビレッジANMON」を目指す。車で約1時間30分で着く。
ブナ林散策道をクイックで歩いてみる
●見頃期間:6月上旬の山開きから10月までのトレッキングシーズンがオススメ。初夏の新緑の中を歩くのもいいし、秋の紅葉を愛でながら歩くのも心が洗われて気持ちがいい。雨の日にブナの幹を伝い流れる樹幹流も見るのも一見の価値がある。
●住所:青森県中津軽郡西目屋村大字川原平字大川添417 (アクアグリーンビレッジANMON)
●HP:白神山地ビジターセンターHPへ
●TEL:0172-85-2810(白神山地ビジターセンター)
●アクセス:アクアグリーンビレッジANMONへはJR弘前駅下車、直通バスにて1時間30分 尚、直行バスの運行は6月中旬頃、事前にお問い合わせ下さい。
運行している弘南バスのホームページ
●車:アクアグリーンビレッジANMONへは弘前ICからアップルロード経由で約1時間
●駐車場:アクアグリーンビレッジANMONに無料駐車場あり。