世界的な名山として知られる
富士山(山梨県・静岡県)
富士山(3776m)は2013年に世界遺産に登録された。「信仰の対象と芸術の源泉」となっていることが評価されたが、日本人が富士山を信仰の対象とした歴史は古い。すでに律令国家(7~10世紀)時代には、富士山を信仰する浅間信仰が確立された。江戸時代には庶民が崇拝する人々 によって組織された富士講をつくり、集団で富士山に登った。また富士山は数々の芸術作品の題材となってきた。江戸時代には歌川広重、葛飾北斎など多くの画家が富士山を描いた。そのほか現代に至るまでいろいろな人が富士山を描いている。短歌や俳句にも取り上げられた。古くは万葉集にも富士山を歌ったものがある。童謡や歌謡曲にもなっている。私たちが日頃お世話になっている千円札にも富士山が描かれている。このようにあまりにも深く日本人に親しまれてきた。富士山は火山である。専門家の調査によれば、過去2000年間に43回噴火したとされる。
一番最近の噴火は、1707(宝永4)年の大噴火である。火山灰は江戸まで飛び4cmも積もった。このときの噴火で、富士山の南東斜面に宝永山(2693m)ができた。100上の溶岩洞窟があり、富士宮市の三ツ池穴は2139mと日本一の長さを誇る。富士山の流水はバナジウムを豊富に含むミネラルウォーターとして、多くに人に飲まれている。世界遺産に登録されたことで、これまで以上にたくさんの人が訪れるようになり、トイレ問題などが今後の課題となっている。
富士山のYouTube映像
富士山山頂で360度で日の出を見てみる
●見頃期間:富士登山は7月1日の山開き~8月26日の山じまいまでが適している。富士山の表情は、見る場所、季節、時間によってさまざまに変わる。これも富士山の魅力である。赤富士…夏の朝、山肌が朝焼けで赤く染まる。紅富士…雪化粧した富士山が、朝日や夕日で紅色に染まる。逆さ富士…湖水に富士山が逆さに映る。ダイヤモンド富士…太陽が昇るときや沈むときに富士山の山頂と重なり、山頂付近がダイヤモンドのように光る。年に2回見ることができる。
●住所:南側は静岡県富士宮市、北側は山梨県富士吉田市
●HP:富士山五合目観光協会
●TEL:0555-72-2121(富士山五合目観光協会)
●料金:入山料1000円(任意)
●営業時間:富士山の登山シーズンは、7月上旬~9月中旬まで!
●アクセス:登山道は山梨側が吉田口、静岡側が富士宮口、須走口、御殿場口の3つがある。それぞれにアクセス方法がある。吉田口は富士急行線富士山駅または河口湖駅から登山バスで五合目まで。富士宮口はJR線三島駅、新富士駅、富士駅、富士宮駅から登山バスで富士宮口五合目まで。須走口はJR御殿場線御殿場駅もしくは小田急線新松田駅から登山バスで須走口五合目まで。御殿場口はJR御殿場線御殿場駅から登山バスで御殿場口新五合目まで。また東京、横浜方面から高速バスもある。
○山梨県側【吉田ルート】
7月1日(水)~9月14日(月) ※下山ルートは、9月15日の午前中まで通行可能
○静岡県側
須走ルート :7月10日(金)~9月10日(木)
御殿場ルート:7月10日(金)~9月10日(木)
富士宮ルート:7月10日(金)~9月10日(木)
○山頂【お鉢巡り歩道】
7月10日(金)~9月15日(火)
●車:中央自動車道が河口湖IC、東名高速道路は東京方面からは富士吉田IC、名古屋方面からは富士IC。河口湖から富士山五合目までは有料の富士スバルライン(30km、普通車往復2060円)
●駐車場:マイカー規制がある。7~8月のシーズン中は山麓の臨時駐車場(有料)に車を停め、シャトルバス(有料)で五合目まで行くことになる。吉田口(290台)、富士宮口(500台)、須走口(150台)で実施。御殿場口(500台)は規制はなし。