広い渓谷には紅葉が続く車窓
わたらせ渓谷鐵道(群馬県・桐生市~栃木県・日光市)
渡良瀬川の清流を眼下に眺めながらディーゼルカーが走る「わたらせ渓谷鐵道」。その魅力を堪能したいのであれば、「トロッコ列車」がおすすめ。「トロッコわっしー号」は、桐生駅と間藤駅のあいだを1時間40分ほどで結び、「トロッコわたらせ渓谷号」は、大間々駅と足尾駅とのあいだを1時間半ほどで結ぶ。トロッコ車両は、窓にガラスがはめられていない窓枠だけの構造になっているため、川が常に横を走りその渓谷美に圧巻し、トンネルの中は天然のクーラように涼しく、渓谷に吹き渡る風を肌で感じることができる。ただし、トロッコ列車は運転日が決まっていることと、座席定員制で予約が必要となっているので要注意。春の新緑、夏の涼風、秋の紅葉、書く駅のイルミネーション、雪景色と、一年中、楽しめる路線だが、足尾方面に向かう列車は、大間々駅~神戸(ごうど)駅までが進行方向の右側に渡良瀬川を見ることができ、右側の座席だと長く渓谷が眺められるのでおすすめ。また、沢入駅から原向駅は左側に渡良瀬川が見えるが、この区間の車窓が一番美しいとも言われている。季節の中でも紅葉の時期が一番美しく、 起点の桐生駅と終点の間藤(まとう)駅では約550mの標高差があるので、区間で同時に紅葉しないが例年だと、10月の終わりくらいに足尾
周辺で紅葉が始まり、1ヶ月くらいかけて大間々周辺まで降りてくる。その期間に乗れば紅葉が楽しめる。沢入(そうり)駅周辺は、この沿線で一番の紅葉ポイントと言われているので電車を降りて散策をするのもいい。神戸(ごうど)駅から間藤(まとう)行きの下り列車は、沿線で最も紅葉の美しい区間を走る。神戸を出ると、まもなくトンネルに入り、それを抜けると沢入駅に到着。その後、渡良瀬川が進行左側にくるので、可能な限り進行左側の席を確保。車窓からの紅葉を独り占めできる。途中の神戸(ごうど)駅と沢入(そうり)駅の間にある全長5.2キロの草木トンネルでは、通過に10分ほどかかるが、この間トロッコわたらせ渓谷号の車内では、イルミネーションが点灯。天井などが幻想的な星空のような空間となる演出になっている。
●見頃期間:10 月中旬から11月下旬の紅葉時期
●路線区間:桐生駅(群馬県)~間藤駅(栃木県) 44.1キロ
●駅数:17駅
●HP:わたらせ渓谷鐵道
●問い合わせ先:わたらせ渓谷鐵道 0277-73-2110
●乗車料金:大人1110円、小児=560円/トロッコ整理券料金:おとな(中学生以上) 510円、こども(小学生)260円(平成27年7月現在)
●アクセス:JR両毛線で桐生駅へ。わたらせ渓谷鉄道の桐生駅とは共同使用駅となっている。