車窓からは海沿いに棚田の風景が広がる

松浦鉄道(佐賀県・伊万里町~長崎県・佐世保市)
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狭い国土を有効に使おうとした農民の知恵のひとつが棚田である。棚田といえば、山間につくられるものというイメージがあるが、松浦鉄道の車窓から見ることができるのは、海に向かった急斜面につくられた棚田である。そこには、まるで「斜面の芸術」とでも呼べそうな美しい景色が広がっている。松浦鉄道西九州線は、北松浦半島をぐるりとまわるような路線になっている。始発駅であり、焼き物の街として有名な有田駅を出発した列車は内陸部を北上し、伊万里駅に向かう。伊万里駅からは西方に向かい、北松浦半島の海岸線をたどる。沖縄の「ゆいレール」ができるまで、日本最西端の駅だった、たびら平戸口のひとつ手前の駅が、さきほどご紹介した美しい棚田が見られる中田平駅だ。たびら平戸口からは南東方向に向かい、列車は佐世保を目指


す。路線図を眺めているだけでも、わくわくするような線形だ。松浦鉄道は、陶磁器運搬のために建設された伊万里鉄道と石炭運搬のために建設された佐世保軽便鉄道とがベースになっている。しかし、紆余曲折を経て、現在のかたちに落ち着いた。その経緯もじつは興味深いが紙幅の都合で割愛せざるを得ないので、詳しくは松浦鉄道HPもご覧いただきたい。


見頃期間:通年

路線区間:有田駅(佐賀県)~佐世保駅駅(長崎県) 93.8キロ

駅数:57駅

HP:松浦鉄道

問い合わせ先:松浦鉄道 0956-25-3900

乗車料金:大人2360円、小人=1180円(有田駅~佐世保駅。ただし、大人=2000円、小人=1000円の「一日乗車券」あり/平成27年7月現在)

アクセス:有田駅はJR九州佐世保線の有田駅と共同使用駅となっている。