秋の風景「ススキ 

 

 秋の七草のひとつでもあるススキは、穂の動きが風の通り道に見えることから短歌などでは乱草(みだれぐさ)、袖振草(そでふりぐさ)などの名で詠まれている。茎の先に黄褐色の花穂を付け、獣の尾の形に似ていることから「尾花(おばな)」とも呼ばれます。日本各地の山野に生え、かやぶき屋根の屋根材としても昔から利用され、また、炭俵を作り、家畜の飼料にも使われて日本人の生活に大切な植物ですが、あまり知られてはいないが、古来から農耕儀礼にも多く使われてきた。魔除を払う力があると信じられおり、豊作祈願などに稲と似ていることから穂を立てて供えられた。また、十五夜のお月見に飾る習慣もありますが、その名残とも言われている。