秋の風景「干し柿」
秋も深まり田舎に行くと民家の軒先に、ズラリと並んだ干し柿が吊ってある光景に出会う事も、少なくなってきた。柿は木になっているのを、もいでそのまま食べるのも甘くて美味しいが、干し柿には、さらにまたひと味違った美味しさがある。干し柿にするのは、そのままでは食べられない渋柿を乾燥させると甘くなる。科学的には「乾燥させることによって渋柿の可溶性のタンニンが不溶性に変わり、渋味がなくなり、甘味が増す」というもの。干し柿を作る時期に適しているのは11月に入ってからと言われ、一般的には2週間程度干した後から食べられると言われるが、甘味が凝縮されのは1ヵ月ほどして表面が褐色になった頃で、またその頃の干し柿を指で軽く揉んでやると中の繊維が切れて渋が抜けるのが早くなるという。干し柿の表面に付く白い粉は、乾燥によって濃縮された糖液が結晶となったもので、ブドウ糖と果糖の混合物なので心配はいらない。
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