夏図鑑「浴衣」
浴衣そのものの歴史は古く、平安時代の貴族が湯浴みのときに召した湯帷子(ゆかたびら)がルーツとされている。その後、安土桃山時代には、湯上りに羽織って肌の水気を吸い取らせる、要するにバスタオルのような使われ方をしていた。庶民が浴衣を着るようになったのは江戸時代になってからのこと。当時のお風呂は、いまでいうサウナのような「蒸し風呂」で、湯上りに涼むのには、もってこいの着物となった。さらに、夏祭りや花火大会など、気楽な娯楽に出かけるときに愛用したのも江戸庶民で、現代にも、その風習が受け継がれている。浴衣を着たときの履物は、下駄か雪駄。一般の人であれば、やはり「素足に下駄」が粋だろう。ただし、力士の場合は「浴衣に雪駄」のほうが絵になるようだ。
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