夏図鑑「金魚玉」

GX033_72A のコピー.jpg夏祭りに行った子どもが金魚すくいをし、何匹か持って帰ってきたが、さて、金魚鉢がない…。と、いった経験はないだろうか。翌日、あわててホームセンターに行き、空気ポンプや砂利、水藻まで買い揃えたものの、夏休みが終わるころには、子どもはすっかり飽きて、秋になって金魚鉢の水をかえたりエサをやったりと、面倒をみているのは親のほうだったりする。閑話休題。金魚玉は、江戸の風鈴職人によってつくられたと伝えられている。金魚玉がつくられるまでは、池があるようなお屋敷に住んでいる裕福な人しか飼えなかった金魚が、部屋に置ける金魚玉のおかげで、しかも、涼しげな空間を演出し、四方から鑑賞できるという魅力も加わって、庶民の楽しみのひとつとなった。昨今、さまざまな金魚鉢があるが、四角い水槽よりも、丸い金魚玉のほうが、たしかに昔ながらの味わいがあるというものだろう。