冬図鑑「電気こたつ」
一度あたってしまうと、なかなか離れられないのが「炬燵(こたつ)」。最近の電気炬燵は、送風機のついた光の出ないタイプが多く、しかもヒーター部分が薄くなっている。だが、かつての電気炬燵といえば、細長いレモンのようなかたちをした赤いランプが光る、見るからにあたたまりそうな電気炬燵だった。そもそもは囲炉裏の上にやぐらをのせた掘り炬燵だったものが、昭和30年代以降には電気炬燵が普及している。「赤外線炬燵」と呼ばれることもあったが、じつは「赤外線」は目に見えない。電気炬燵の赤い色は、わざわざ赤い光に見えるように加工されたものだ。炬燵は暖房器具でありながら、たいていは部屋の中央に置かれ、食卓でもあり、本を読んだり書き物をしたりするテーブルでもある重宝なもの。そして、なによりも一家団欒の象徴のような存在だ。炬燵の上にみかんがおかれていたりすると、それだけで、もう「家庭的」だ。手足を温めるはずの炬燵に、首までどっぷり入って「こたつむり」などと言って、親から叱られた経験はないだろうか。炬燵にあたっていると、つい、うとうとしてしまうが「炬燵で寝ると風邪をひく」は迷信ではないのでご用心。
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