冬図鑑「雪だるま」
雪だるまをつくるなら校庭のような広い場所がいい。最初は、てのひらにのるような雪玉だったのに、校庭や雪野原を転がしていくと、みるみる大きな雪の玉になっていく。湿り気のある、積もったばかりの雪だったら、あっと言う間だ。そして、もうひとつ雪の玉をつくり、小さいほうをヨイショっとのせる。あとは、枯れ枝で手をつけて、炭などで目や口をつける。炭がなければ石や枯葉を代用したものだ。雪だるまは、できあがってしまうと、もうそれっきり。子どもにすれば「物足りない」から、時間と雪の量がゆるすかぎり、いくつでもつくりたくなる。子どもの頃、雪が降りしきるなか、雪だるまをつくるのに夢中になって、気がついたら自分自身もまるで雪だるまのようになっていたという人がいるかもしれない。もし、翌日になったら雪だるまがくずれていた…という方に、雪だるまを長持ちさせる方法のひとつをお知らせしよう。それは、夜、少量の水をかけておくこと。こうすると、夜中に水分が凍り、翌朝、日が当たっても解けにくいためだ。ただし、雪だるまが硬くなっているので、ぶつかったりしないように気をつける必要はある。さてこの雪だるだが日本では、江戸後期の絵画に雪だるまを見ることが出来る。供え物が置かれた雪だるまが描かれており、「だるま」と同じく冬の縁起物であったと思われるそうだ。
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