巾着田曼珠沙華まつり(埼玉県・日高市)

　秋にに咲く曼珠沙華の群生が日本一の巾着田（きんちゃくだ）は、奥武蔵丘陵の山裾を縫うように流れる高麗川が、その流れを大きくカーブさせた場所にできた水田。日和田山から見ると巾着の形をしていることからこの名が付いた。面積約22ヘクタールで昔はそのすべてが水田だったが、現在ではほとんどが休耕田となっている。面積約17ヘクタールの平地の巾着田には、春の訪れとともにナノハナが咲き、一面が華やいだ黄色に変わる。多くの人たちがピクニックに訪れるが、そして秋は、群生したヒガンバナが巾着田周辺の岸辺を真紅に染め抜く。球根で増えるヒガンバナが、なぜここに自然に群生するようになったかは定かではないが、たび重なる洪水などで上流から運ばれてきたらしい。昭和４０年代後半に、巾着田の用地を当時の日高町が取得し、利用について議論される中で、平成元年頃に草薮であった河川敷地の草刈りをし始めると、そこに群生した姿が見られるようになった。今では管理され、早咲き、中間地点、遅咲きと３つに分かれて長く鑑賞できるように5０0万本以上のヒガンバナが咲き誇り、まるで赤い絨毯(じゅうたん)を敷き詰めたようだ。

●2018イベント情報：
「巾着田曼珠沙華まつり」を開催
9/15(土) ～ 9/30(日)
まつり期間中は市内の飲食店による屋台村が形成され、
花を楽しみながら日高の特産に舌鼓を打つことができます。