日本各地にテーマパークは数々あるが、このテーマパークほどユニークなものはない……といっても過言ではないだろう。美川ムーバレーのある場所は、もともと、美川町にあった玖珂(くが)鉱山という、日本一の産出量を誇るタングステン鉱山だった。しかし、時代の趨勢に押されて、閉山することに。だがそれは、その地域が主たる産業を失うこと意味していた。地域に新たなる産業が必要考えた当時の美川町長は、第三セクター「美川開発株式会社」を設立。全長42キロの坑道の一部分を利用して、伝説の古代地底文明を

モチーフとした観光坑道の「美川ムーバレー」を築いたのである。「美川ムーバレー」は鉱山の跡地を使い、約1kmを探検の舞台として公開。本物の鉱山跡だけに、このうえないリアリティをもった施設として生まれ変わったのである。古代伝説のムー大陸をイメージした神殿や怪しげな石像や地下の神秘の湖、滝など15のゾーンがあり、迷路で結ばれている。奇想天外な謎解き探検を存分に楽しめるようにしかけだ。所在地は山口県岩国市だが、名称の「美川」がかつての町名に由来することはいうまでもない。