九州に唯一残る扇形のSL車庫
ぶんごもり
豊後森機関庫(大分県・玖珠町)
かつて北海道と並んで九州もSL王国だった。煙をもくもくと吐き、汽笛を鳴らし、轟音とともに走る雄姿は、たくましい九州男児とイメージが重なるといえるかもしれない。やがて、いわゆる「鉄道の無煙化と近代化」の波に飲まれ、SLは姿を消した。それとともに、多くの機関区も、その役目を終えた。SLの機関区の象徴といえば、扇形車庫だが、SL王国と呼ばれた九州において、唯一残っているのが、豊後森機関庫だ。レールこそ外されているが、その独特な形は健在で、かつてSLが塒としていた時代を、今に伝えている。昭和9年の久大本線の開通とともに誕生し、往時には21両のSLを要したという大規模な機関区。戦時中は軍事輸送の拠点となっていたことから米軍機の機銃掃射にあい、職員3名が死亡するという惨事も起きている。
機関庫の壁には現在も機銃掃射の跡が残っており、いわば「歴史の証人」である。昭和46年に廃止されたが、2009年(平成21年)には、機関庫及び転車台が「旧豊後森機関区の関連遺産」として近代化産業遺産に認定され、平成24年には、国の登録有形文化財として、旧豊後森機関庫1棟と旧豊後森機関庫転車台1基が登録されている。車庫の内部は立ち入り禁止だが、予約によりガイドによる解説なども受けられる。
●見頃時期:
夏の間だけライトアップを実施している。
期間7/1〜9/30まで。時間は7時半から9時半。
ガイド(有料)を申込む場合は、玖珠町観光協会(0973-72-1313)に要問合せ
●住所:大分県玖珠郡玖珠町
●HP:玖珠町商工会
●TEL:0973-72-1313(玖珠町観光協会)
●料金:無料
●営業時間:随時
●アクセス:九大本線豊後森駅から徒歩約5分
●車:大分道玖ICから約10分
●駐車場:有り無料