夏の歳時記七夕(たなばた)

c2ede770eb424cd35a79b68232cc6d29_m.jpg7月7日は五節句の一つの七夕まつり。この日は天空の天の川を隔てて牽牛星(けんぎゅうせい)であるワシ座のアルタイル星と織女星(しょくじょせい)であるコト座のヴェガ星が1年に1度だけ許しを得て出会う恋の日。実際には星同士が寄り添うことはありませんが、陰暦の7月7日に両星が最も接近することから伝説が生まれました。幼い頃にタンザクに願い事を書いて竹に飾った記憶の人が多いかもしれません。この風習は中国から渡来したものですが、日本にある伝統行事で女性が人里離れた水辺の機屋にこもり、そこに神を迎えてみそぎを行う『棚機っ女』(たなばたつめ)の伝統信仰とが習合されてできたものです。 江戸時代には庶民にも広がり、織女星が養蛬や糸、針を司る星として信仰されていたこともあり、洋裁や習い事が上達することを五色のタンザクに書いて笹の葉に飾って願いました。昔は7日の前日に夕方から七夕竹を立てるのが風習でした。梅雨の季節ですが、7日が晴れればと願っていた幼い頃の気持ちにもう一度振りかえり、夏の夜空にロマンを寄せてみてはいかがでしょう。