桜について
桜の種類は300種以上もあり、
1年中、日本のどこかで咲いている

桜は日本だけの花だと思いがちだが、主に北半球に分布しており、日本以外に台湾や韓国、中国やヒマラヤにも見られる。
植物の分類ではバラ科サクラ属の総称名で種類が多く、主なものにヤマザクラ、オオヤマザクラ、オオシマザクラ、マメザクラ、エドヒガン、シダレザクラなどがある。種類を大きく分けると3群に分けられる。ヤマザクラなどの野生種とソメイヨシノなどの自然交雑種、サトザクラなどの園芸種で、とくに園芸種は500年前からつくりかえる研究が行われ、今では300種類以上もある。
国内で多いのがソメイヨシノ。これは江戸時代の末期に東京の染井村(豊島区)の植木師によってオオシマザクラとエドヒガンを交配して誕生したといわれている。名前は吉野山のヤマザクラとの混合を防ぐために発祥の地にちなんで、明治33年に「染井吉野」と命名された。つぎ木によって殖えるので成長が早く、爛漫と咲き誇る姿が人気で沖縄を除く全国に広まり桜の代表的な種類になった。
桜は春に咲くものと思っている人が多いが、ミネザクラは国内に自生する桜のなかでいちばん標高の高いところに育ち、5月から7月までの間に咲く。10月頃からはジュウガツザクラが花開き、11月にはフユザクラが咲いて翌年の春にまた2度咲きするが、ダンザクラ同様に冬の間でも少しずつ咲く。早咲きの場合、花は小粒が多い。またカンザクラは寒中に咲くことから寒桜と呼ばれ、熱海や伊豆などの暖地では1月下旬に淡紅色の花を開く。沖縄で冬に咲くのは、ヒカンザクラ。中国南部、台湾、ヒマラヤに分布し、カンヒザクラとも呼ばれている。沖縄のサクラは野生化しており、リュウキュウヒザクラと呼ばれている。その他に、タイワンザクラなどとも呼ばれる。沖縄では1月下旬から2月上旬に咲く。
