春便り
春の歳時記「鶯(うぐいす)」
春告鳥(はるつげとり)とも書くこの鳥は、姿や声がよいので室町時代から徳川時代に最も盛んに飼育されていました。秋から冬にかけて「チャチャ」と鳴きますが、春になると声変わりして「ホ-ホケキョ」とさえずるのは、雌との出会いを求めて雄が鳴くからです。俗に「梅に鶯」といいますが、ウメの木を訪れる目的は花の蜜を吸う意外に、ウメの木に多いアカダニを食べるためです。この虫を食べるとホルモン状態が良くなり、より良くさえずるといいます。気象庁の統計によるとこの恋のさえずりは四国、九州が3月上旬。中国、近畿、中部、関東が3月中旬から下旬。東北、北海道は4月下旬から5月上旬頃になります。また「ホ-ホケキョ」の後に語尾を伸ばして「ケキョ、ケキョ、ケキョ」と鳴くのを「鶯の谷渡り」といいます。